事務所と住宅のハイブリッド建築

Introduction

築40年以上経っていた両親の自宅を建て替える際に、YSACT(栁澤商事一級建築士事務所)の事務所兼住宅となる建物の設計・施工を一貫して担当。
両親が生活をする居住部分は鉄骨構造で、お客さまを迎える事務所部分は鉄筋コンクリート造で手がけました。
施主である両親からは「高齢者でも生活しやすい住まいにしてほしい」という要望はありましたが、
基本的にはお任せでチャレンジングな空間づくりに取り組むことができた建物です。

VOICE of OWNER

"生活しづらい家はつくる意味がない"

YSACT

Chapter

01

プライバシーも開放感も確保したい

事務所をつくる際に真っ先にイメージしたのは、お客さまがクルマでいらっしゃっても直接ガレージへと進入でき、周囲の目を気にせず2階のミーティングルームへ入れること。お客さまのプライバシーを守りながら、明るく開放的な商談スペースにしたいと思ったのです。このイメージにたどり着くまでに試行錯誤をくり返し、最終的に道路側は全面壁にして人目を遮りながらも、側面を全面ガラス張りにすることで採光や開放感を確保するプランを考えました。

Chapter

02

北欧の快適な生活を日本に

両親が生活する居住空間は、長い時間そこにいても居心地のよい場所にしたいと考えました。縦長の敷地だったため南側の事務所部分と北側の居住部分の間に中庭を設けて、リビングに光が降りそそぐ開口部をつくりました。明るく開放的なリビングを設計する一方で寝室は北側に配置し、あえて広すぎない静かな空間に。高齢の両親が自室に閉じこもるのではなく、広くて明るく快適なリビングに居るようプランニング。夜が長い北欧では、家のなかを快適にして生活を楽しみます。そんな北欧の住み心地の良さを、日本の住宅デザインで実現したいと考えたのです。

Chapter

03

LDKの開放感に驚く

リビングは中庭に面した開口部からの光と、天井までのダイナミックな吹抜けで驚くほど開放感あふれる空間に。2階にセカンドリビングを設けることで縦にも横にもオープンな空間が広がりました。2階からの眺望は室内とは思えない内と外が一体化した景色が飛び込んできます。
天井や階段、建具など室内に使用した木材は、北欧フィンランドを訪れた際に印象的だったホワイトオーク(楢材)に統一。やわらかで落ち着いた色調が居心地の良さを演出しています。
色や質感はもちろん大切ですが、それ以上に重視したのは住み心地の良い空間をつくることです。リビングを心地よくすると毎日が快適になり、生活しやすい空間になります。

Chapter

04

宙に浮いたような階段を

リビングの開放感を生み出すため、階段に一般的な手すりや壁を設けず宙に浮いたようなデザインにしました。階段は開口部と同様に「建物の顔」になると考えていたので、あえてハードルの高い設計を採用。強度と安全性を確保するために天井からスチールバーで吊って固定しています。デザインと設計と施工が三位一体となり、高いレベルで融合した合作といえるでしょう。施工段階では現場を担当する職人さんと詰めて詰めて仕上げていきました。

Chapter

05

やわらかな光が入る吹抜け

高齢の両親が生活しやすいようにLDKや寝室、水回りを近くに配置しました。サニタリーのある北側の吹抜け空間は、やわらかな光が差しこみ、この家のなかでいちばん気に入っている場所です。居住部分の壁をシリカライムの塗り壁にして空気の質にもこだわっています。
室内の温度も快適なのでデザイン性以上に、快適で気持ちよく生活できる家になったと思っています。空調や熱効率も良く、結果的に光熱費も安く抑えられていますね。

Chapter

06

既製品ではつくれないもの

事務所の2階から3階を昇り降りする階段もオリジナルで造作したものです。薄い鉄板を中空の箱型にして強度と軽量化を両立させています。すっきりとしたデザインにしたかったので壁だけで支持させ、最終的な仕上がりは鉄板が生えているみたいに。この階段の施工では、建物は生きものだとあらためて実感しました。図面はあくまで図面。溶接をすると鉄が歪んで曲がります。それをコントロールするのは非常に難しいもの。そこが手作りの難しいところであり、良さでもあるのですが。手作りの仕上がりを面白がっていただけるお客さまなら、当社の家づくりもきっと気に入っていただけるはずです。

Chapter

07

お客さまが建てたい家の礎に

両親が快適に生活するための家を私たちの手でつくり、生み出してあらためて思いました。生活しづらい家はつくる意味がない、と。いろいろな制約や限られた条件のなかでこの快適さや品質を生み出せたことは、今後の家づくりにとっての指標になるといえます。私たちの仕事の引き出しをつくり、お客さまが生活しやすい家を生み出す第一歩になりました。この事務所兼住宅は当社のモデルハウスとしても活用している建物です。見学をご希望される方は、ぜひご相談ください。お客さまが建てたい家の礎になるものと確信しています。

他のストーリーも読む

scroll

Story

1

異彩を放つ
吹抜けリビングの
ある家

読む

Story

2

事務所と住宅の
ハイブリッド建築

読む

Story

3

飛行機の格納庫を
イメージした
ガレージハウス

読む

Story

4

好き!を盛り込んだ
リノベーションで
進化する家

読む